会話形式で楽しく学ぶ税務基礎講座
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文書作成日:2022/08/10



 2023年中に適用期限を迎える贈与税の非課税制度があると聞きました。どの非課税制度でしょうか?


出演:  … M社 社長   … 顧問税理士



― M社 社長室にて ―

M社社長と顧問税理士が、打ち合わせを行っています。




教育資金の一括贈与を受けた場合、結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合、住宅取得等資金の贈与を受けた場合それぞれにおいて、贈与税の非課税制度があります。
 これらの制度は、いずれも現行法では来年(2023年)中に適用期限を迎えます。
 令和5年度税制改正において何らかの措置等がなされることも想定されますが、もし制度の活用予定がございましたら、期限にご注意ください。




 すでに教育資金の一括贈与については利用しているし、結婚・子育て資金や住宅取得等資金は予定がないからな。
 大丈夫じゃないかな。




 そうでしたか。
 それならば問題ありませんね。




 ん?
 そういえば住宅取得等資金の贈与って、改正されたばかりじゃなかったか?




 ご理解のとおりです。
 令和4年度税制改正で新制度として2年間の適用となりましたので、ちょうど来年の年末(2023年末)が現行法での適用期限となっております。
 今回の改正では、やはり「格差の固定化を防止する観点」が入っているようで、教育資金の一括贈与などの他の贈与税の非課税制度と足並みをそろえるように、2年間の措置となったようです。




 なるほど。
 住宅取得等資金の贈与の限度も随分下がったように思えるから、今は旨みも感じられないな。




 ご理解のとおりです。
 消費税率の引上げに伴う反動減対策として、非課税限度額の最高が3,000万円のときもありましたが、現状は1,000万円(震災特例の場合は1,500万円)です。
 もともとの水準程度まで戻ったとはいえ、これまでのこの制度のなかでも今は最低額ですし、更に3,000万円と比較してしまうと何とも言えなくなります。




 上を見てしまえば、そうなるよな。




 おっしゃるとおりです。
 教育資金の一括贈与の場合、非課税限度額は最高で1,500万円、結婚・子育て資金の一括贈与の場合であれば1,000万円と、これらと比較すればさほどの違いもありませんが、資金使途や一時で支出する額などを考えると一律での比較も難しいでしょう。
 とはいえ、令和5年度税制改正で制度内容が縮小されたり、廃止されたりするなどの可能性を考えますと、適用できるうちに検討いただけるものは検討していただいた方がよろしいかと存じます。




 まあ、そうだな。
 この件は、古門には話した?




 古門部長にですか?
 まだお話はしておりませんが。




 こういう話は好きだと思うから、話してやってよ。




 そうでしたか。
 それでは、次にお会いしたときにでもお話させていただきます。




 よろしく。




 承知いたしました。


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山梨県富士吉田市、
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